住宅購入で「資金計画書」はなぜ必要?

2022/3/25

人生でも大きな買い物である住宅購入で、必要不可欠なのが「資金計画書」です。新築・中古・戸建・マンションと何を購入するかに関わらず、住宅取得を検討初期段階から目にする書類のひとつです。

計画書と聞いても、パッとどんな資料か想像が難しいですよね。

「資金計画書ってなに?見積書とは違うの?」

そんな悩みに向けて、今回は住宅購入における資金計画書の位置づけや、その重要性をゼロから解説していきます。


住宅取得に必要な「すべての費用」が分かる


資金計画書を分かりやすく紹介できるよう、ちょっとした図をご用意しました。

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資金計画書とは、読んで字のごとく「住宅取得の『資金』を『計画』する資料」です。住宅購入には、土地代、住宅建築日、税金、保険など多くの費用が必要です。それぞれの項目で必要となる費用は、不動産や保険会社から取り寄せた「見積書」が参考となります。

これらの見積書、つまり「各商品・サービスの価格」をひとつにまとめたものが、資金計画書なのです。資金計画書は、住宅取得に必要な総資金を集約した資料とも言えます。

住宅取得において、資金計画書は「予算枠」の指標です。この資料をもとに、私たちは金融機関からの資金調達、月額返済額、不動産価格、建築費用の確認を行います。


資金計画書は難解で注意が必要


資金計画書は、はじめて目にする人には少し難解です。さまざまな専門用語、税金にまつわる項目が多いだけでなく、業者によって表現方法の違いや項目に差があることが、その理由として上げられます。

さらに、資金計画書では住宅ローン商品によっては経費化できない項目もあるほか、業界統一の明確な基準もありません。この点も、資金計画書のとっつきにくさに拍車をかけています。

ちなみに、戸建注文住宅では不動産屋、工務店、金融機関など各企業の商品・サービスを購入することとなります。このいずれかに資金計画を依頼することとなりますが、業種によって内容や方針が変わってしまうことも珍しくありません。

あまり喜ばしいことではありませんが、なるべく自社が担当する部分に予算が多く回るよう、資金計画書を作成する住宅関連事業者もあるので、注意が必要です。


家づくりの全体指揮を執るのは、基本的に施主本人です。ハウスメーカーのように、土地を探し家も建ててくれて、金融機関の手続きも手伝ってくれるワンストップ企業もあります。

人生最大規模ともいえる買い物を前にして、予算やスケジューリング、各種手続きをスムーズに行うことは非常に大変です。特に住宅ローンを組む場合、返済計画に無理があると、最大35年間資金繰りに苦労する危険性も…。

住宅は賃貸と異なり、気軽に家計の見直しの一環で引っ越すことはできません。いざ売却しようとも、よほど地価が上昇する立地でもない限り、一定額の債務を背負うことは避けられません。

「夢のマイホーム」という言葉を前に、多くの人が文字通り夢をふくらませます。しかし、住宅購入を前にして、ほぼすべての方々が理想と現実のギャップに戸惑います。マイホームを持つことの裏側には、経済的負担と向き合うことが必要だからです。


「夢のマイホーム」を現実化するための資料


資金の話をすると、「マイホームを持つのって大変だ…」と感じてしまうかもしれません。検討初期段階では、何をすればいいかも分かりにくいことでしょう。そんなとき、資金計画書で必要な費用を洗い出しておくことで、「明日から住める状態」になるまでに必要な費用が見えてきます。

必要な費用が青天井に膨れ上がったり、マイホームが完成してから資金面(返済等)で頭を抱えたり…という問題も未然に防げるでしょう。

資金計画書は、夢のマイホームを現実化させるためにとても重要な資料です。検討初期はもちろん、住宅取得直前、家づくり進行中まで。「予定とずれていなか」「変更すべき項目はないか」など、資金ルートを確かめる指針として、資金計画書は大きく役立ちます。

マイホームを手に入れる上で、理想を100%叶えるのは難しいものです。限られた予算で妥協できる点・できない点を線引きしたり、マイホームを取得したあとも無理のない生活を送ったりする計画性が必要となります。これらを見える化しさまざまな検討事項を判断するためのツールとして、資金計画書を有効活用してください。


「マイホーム」は目的なのではなく、豊かで安心な暮らしを実現するための手段であるということお忘れなく。