家づくりで「業者主導」にならないために決めておくべきこと

2022/4/2

住宅というのは、その道のプロですら全ての知識を網羅するのは難しいと言われています。これから家を持とう!と思った時、まずは何を決めておくべきなのでしょうか?

業者主導だと理想の家が遠のくかもしれない?


家を持つと決めたら、考えなくてはいけないことがたくさんあります。
 

・家を買う理由・背景
・資金計画
・立地(どこの場所に家を持ちたいのか)
・家の形態(マンションか戸建てか・新築か中古か)
・スケジュール(いつまでに引っ越ししたいのか)
・広さ・間取り
・性能(どんな設備が欲しいのか)
・内装・外装(カーテン・クロス・床材・壁材など)

 
このなかで、家を買う理由や背景以外のすべての項目に、 それぞれの専門業者がいます。商品知識・金融知識・デザイン・構造・工法・技術・業種固有プロセス、それぞれのプロに相談をしながら最終的に自分の理想の家を手に入れる、それが家を持つという作業です。
 
人は経験のない事をする時、迷ったり悩んだりを繰り返します。その時に知恵を貸し、サポートしてくれるのがそれぞれの専門業者です。
 
業者はそれぞれに専門知識があり、相談に乗ってくれます。が、業者はそれぞれに話したい事があり、勧めたいものがあるのです。例えば、不動産業者なら「予算・スケジュール・立地」の話がしたいでしょう。なぜなら自社物件や仲介物件を早く売りたいからです。

また住宅事業者なら上記に加えて「選択肢・性能・デザイン」の話がしたい。他社との差別化を図りながら単価も上げたいと考えるからです。そんな時、業者に勧められた物をそのまま選んでいたら、資金不足におちいり、本来の自分の理想の家からどんどんかけ離れてしまうかもしれません。

理想の家の実現には「具体的なイメージ」が不可欠


では、どうすれば業者のアドバイスを鵜呑みにする事なく、必要な情報を引き出し、自分の理想の家をつくることができるのでしょうか?皆さんにおすすめしたいのは、家を買う事に決めた理由・背景・その必要性を明確にすることです。

これは言わば、木の根に当たる部分。ここが変わると当然幹の太さや形、実り方が変わってきます。なぜ今、家を買う事にしたのか。ここをしっかり話し合い、まとめておくことにしましょう。



その上で、やはり資金面についても考えなくてはいけません。どれくらいの予算が用意できるか。ある程度の予算オーバーに耐えられるのか。資金計画表をつくるつもりで、ある程度頭の中で決めておきましょう。資金面がある程度固まってくると、立地・家の形態・広さや間取りなどの選択範囲が決まってくるケースも考えられます。
 
家を買うと決めた理由から、いつまでに家を完成させ、引っ越しを済ませたいのかというスケジュールも決まってくると思います。子どもの転校が必要か、転勤の有無も考慮に入れるとより具体化していきますね。

自分に興味のあることから家づくりに必要なことまで。家づくりの動機がしっかり定まることで、俯瞰して今自分が家づくりでどの段階にいて、決めるべきことは何かを判断できます。それにより、「業者さんが勧めてくれたものは、自分や家族に必要なのか」を見極められるようになるでしょう。

家の取得を考える時は長いスパンで考えよう


人は感情の生き物なので、今自分が心地良いものにとかく興味を惹かれがちです。しかし家づくりは、多くの人にとって一生に一度の買い物であり、一度買えば長くその家に住むこととなります。

現時点での家族は何人か。子どもが生まれ、育ち、巣立ったらどうなるか。このように、ある程度人生設計を考慮に入れながら家のあり方を考える事となるでしょう。

 

どんな人にとっても、家を買うという事は生活を豊かにするための大きな手段です。いろいろと悩む事も多く、なかなか決められなくなる事も多いでしょう。だからこそ、家づくりの目的や動機を考えつつ、自分にとって理想的な家のかたちを模索してみてください。そのうえで、家づくりの専門家の手を借りながら、理想の家づくりを手に入れましょう。