家選びの基準【戸建編】広さと自由度の高さが魅力

2022/4/8

家を買おうと思い立った時、まず考えるのは一戸建ての家にするのか、マンションなどの集合住宅にするのか。大きくこのふたつの選択肢を思い浮かべる人が多いでしょう。ここでは一戸建ての場合に焦点を当てて、メリットや考えるべきことをご紹介します。


戸建ての魅力と注意点


一戸建てとマンションを比べたとき、一戸建てのメリットとして多く挙げられるのは、延べ床面性の広さと間取り・外観・内装などの自由度の高さです。


一戸建ての場合、敷地も建物も全て自己所有となるため、間取りや外観などは全て自分で決める事ができますし、庭や駐車場なども敷地内に造る事ができます。友人を招待して、庭でBBQを楽しむこともできるでしょう。


マンションの場合、外観などのデザイン決まっていますし、間取りもいくつかのパターンから選び、その中で多少の変更ができる程度でしょう。まれに庭や駐車場が部屋に付いていますが、そんな物件は数も少なく、また割高になってしまいがちです。


一方で、一戸建てにも懸念点や注意すべきポイントがあります。まず挙げられるのは、メンテナンス費用がかかるという点です。庭の草取りや手入れはもちろん、十数年に1度は装のメンテナンスや、劣化の頻度によっては内装・設備機器のメンテナンスも自分で行わなければなりません。


また、セキュリティの問題も考えておきたい点です。分譲マンションの場合、常駐の管理人がいたり、入口にロックがあって簡単には建物に入れなかったり、防犯カメラが設置されていたりと防犯対策が施されています。戸建ての場合、こうしたセキュリティ面をどうするか、ゼロから考えなくてはいけません。


戸建ては建物の資産価値が下がりやすいという点も、注意が必要です。戸建てでは木造住宅が多く、特に建物価値が下がりやすいのが現状です。場所によっては土地の価値は残るため一概には言えませんが、建物の資産価値を重視する方、永住を考えていない方には戸建ては不向きと言えます。


「戸建て」は7種類に分けられる



戸建てというカテゴリーには、大きく7種類の選択肢があります。


最初に分けるべきは、新築と中古のカテゴリーです。そのうち、新築は「建売住宅」「規格住宅」「注文住宅の3種類に分けられます。中古の場合は、「中古戸建既存利用」「中古戸建リフォーム」「中古戸建リノベーション」「リノベーション済戸建て」の4種類です。


※近年はテレワークや在宅ワークが進み、事務所兼住居という利用も増えてきました。ここでは住宅のみの利用のケースで考えていきましょう。

各種類のメリットデメリットは、会員ページや別の記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。


新築と中古で悩んだら、優先して考えるべきこと


「戸建」を選択したあと、どうしても悩んでしまうのは「新築と中古のどちらを選ぼうか」という問題です。ここでまず考えたいのは、新築と中古それぞれのよさを比較して、どれを優先したいかです。


例えば、次の条件を優先したい方は、新築を選ぶことをおすすめしています。


・家の性能には、最新基準に適合し高い性能を求めたい

・新興住宅地など近隣環境がこれから整備されていく場所での居住を検討している

・新品未使用が絶対条件


現在の住宅業界では、新築物件について動きが見られます。


・省エネ住宅を促進する動きが活発であり、高断熱、高耐久、発電・蓄電などに対する減税制度や補助金が充実している

・上記に準ずる多角的な住宅性能評価制度がある

・上記に準じて建築費用が高くなっている


この点も考慮して、新築物件を検討してみるといいでしょう。


一方で、中古をおすすめするのは、次の条件を優先したい方です。


・建物より立地優先したい

・割安な物件を求めている

・リノベーションで既存建物の魅力を活かした暮らしを実現したい


ちなみに、業界内の中古物件に関する動きとしては、次のものが見られます。こちらもぜひ、戸建ての条件を考える際に参考としてみてください。


・中古住宅流通を促進する動きが活発であり、既存住宅の性能向上に対する補助制度が整備されてきている。

市街化調整区域の規制緩和が全国的に進んでいる

・中古住宅に性能や価値向上求めることで建築費用が新築並みに掛かることがある


このような業界の動向があるため、優先順位の高いポイントを考慮に入れながら物件を選ぶ事をオススメします。


数値化できる基準・数値化できない基準で判断しよう


新築と中古は一長一短であり、ハッキリと「こっちがいい!」と伝えることはできません。皆さんの暮らしや将来像と照らし合わせて、どちらがいいかを考えてみるといいでしょう。



こうした数値化できない定性的な判断材料に加え、資金計画書や見積書など数値化できる定量的な判断材料も、築・中古を選ぶときには有効です。両方の基準をうまく活用して、判断してみてください。