家選びの基準【マンション編】便利さと手軽さが大きな魅力

2022/4/10

家を買おうと思い立った時、選択肢としてまず考えるのは一戸建ての家にするのか、マンションなどの集合住宅にするのかです。ここではマンションなどの集合住宅について、メリットや注意すべきポイントをご紹介します。


マンションの魅力と注意点


マンションと一戸建てを比べたとき、マンションのメリットは「コスト」「手軽さ」「便利さ」が当てはまります。


ひとつ目の「コスト」ですが、同じ家族構成、同じ間取りなどの要素(LDKやご夫婦の部屋、子ども部屋など)で考慮した場合、戸建てよりも総額が安くなるケースが大半です。


「手軽さ」については、戸建てでは建物の間取りや設備に加え、土地なども考える必要があります。一方でマンションは、建物以外で考えるべき要素(土地や庭など)が戸建てよりもぐっと少なくなり、また建物の「隠れている部分」(配管設備や耐震性、断熱性、耐久性など)も、すでに設備として確保されているので安心です。


最後の「便利さ」ですが、マンションをはじめとした集合住宅は、一般的に戸建てよりも好条件の立地に建てられています。駅から徒歩10分以内、周辺に学校や病院、ドラッグストア近いなど。生活に必要なものを、身近にそろえやすいというメリットがあります。子育て世代から終の棲家を求める方々まで、幅広い世代に優しい点がポイントですね。


いいことづくめに見えるマンションですが、注意点がひとつあります。それは「意外なところで手間・コストがかかる可能性がある」という点です。


例えば、リノベーション物件に住み始めてしばらく経過し、配管からの水漏れが起きたとしましょう。戸建ての場合、当然家族の判断だけで工事の依頼を行えます。しかし、マンションの場合、修理工事にはマンションの管理組合や近隣住民の了承を得なくてはならない場合も少なくありません。共用設備や外壁に関しても、同様の問題が生じる可能性があります。各マンションの管理規約や修理が発生した場合の責任の所在などは充分に確認することが必要です。


マンション設備の老朽化や工事は、中古マンション(リノベーションマンション)で特に注意すべき点です。せっかく安く購入できたのに、思わぬコストがかかってしまった……というリスクは確かに存在します。


近隣住民の方々との人間関係も、マンション住まいでの思わぬ悩みの種となることも考えられます。設備老朽化も人間関係も、一度住んでみてはじめて直面するという隠れたリスクなので、一層厄介なポイントと言えるでしょう。


生活へのこだわりポイントはどこにあるか


コスト面、手軽さ、利便性。これらに比重を置いて住まい探しを検討している方は、マンションが非常に魅力的な選択肢となるでしょう。一方で、まったく違う点に「生活へのこだわり」を持っている人は、戸建てとマンションを十分に比較検討する必要があります。


例えば、皆さんは住宅に庭が欲しいと思いますか?友人を招いてBBQパーティを開きたい。ペットの犬と思い切り遊びたい、子どもとサッカーなどをして遊んであげたいなど……。マンションでも広いバルコニーのある部屋はありますが、自分たちのやりたいことを思い切りできるという「自由度」で比較すると、やはり戸建ての庭に軍配があがります(もちろん、住宅密集地など広い庭が確保できない場合は、また別の選択肢が必要となるでしょう)。


最近流行っているDIYも、戸建ての方がより広いスペースを確保して楽しむことができるでしょう。マンションで大きな木材を切ったり、シンナー塗装したりという大きな作業はかなり難易度が高いです。敷地内がすべて自分の自由に使える戸建てのほうが、よりダイナミックにものづくりを楽しめます。


ここ数年は、自宅用の薪ストーブを置きたいというニーズも多く見られますが、これもなかなかマンションで満たすことの難しい欲求のひとつです。


映画鑑賞、音楽鑑賞、読書、ゲームなどマンション内でも完結する趣味を楽しみたいか。より大きく自由に身体を動かす趣味を堪能したいのか。ご自身や家族の生活のこだわりを、どちらの方が満たしやすいかという観点で、戸建てとマンションを比べてみることも重要です。 


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利便性と生活スタイルをしっかり吟味しよう


マンションは戸建てより、考えることもコスト面も少ない傾向にあります。実際に住宅購入を検討するところから住み始めるまでも、短くしやすいです。コスト面での心配が少なくなる分、マンション自体の築年数や見えないリスク(設備や近隣住民の情報)は、なるべく業者の方々にヒアリングすることをおすすめします。


もしも「ここいいかも」と思ったマンションが見つかったら、そこでどんな生活スタイルが送れるのかを想像することも重要です。室内の間取りにとどまらず、周辺の施設やマンションの共用設備を見つつ、自分たちの趣味や楽しみをどう満たせるのか検討してみてください。