1年前から準備がはじまる。知っておきたい「家づくりのスケジュール」

2022/3/29

住宅取得時には、押さえておくべきポイントがいくつもあります。そのなかで、特に重要なポイントが「予算」と「スケジュール」です。

実際に、新築工事などの契約書約款に記載される内容は、大半が「金額」と「期間」に関することです。それくらい、施主と業者間で2つの認識をそろえておく必要があるわけですね。

逆に言うと、人生でもっとも高い買い物で予算とスケジュールが把握できていれば、それだけ心に余裕が生まれます。選択する住宅にはいくつも種類があります。

今回は住宅購入の相談から実際に入居するまで、もっとも時間がかかりやすい「新築戸建注文住宅」を例に、一般的な住宅取得のスケジュールをご紹介します。


施主が知っておきたい「家づくりの5STEP」


結論から言うと、条件にもよりますが相談から入居まで、家づくりには約1年かかると思ってください。ここでの「条件」というのは、土地の有無、住宅会社の工期、周辺環境などがあります。住宅取得の相談の前に行う、住宅取得自体の検討や立地(土地)探し、業者選定なども含むと、2〜3年要するケースも珍しくはありません。

「最近は土地も余っているし、住宅取得の相談をしたら数か月後には、マイホームが手に入るよ!」と、勘違いしている方を見ることが多いです。しかしながら、現物がない注文住宅を建てる際というのは、とにかく決めること・手続きすることが多いのです。

具体的にどんな手続が必要か。相談〜入居まで一般的な流れをまとめました。



ハウスメーカーや工務店によって異なりますが、大まかな流れとしてこの5STEPにある全14項目を手順として踏みます。各項目の詳細は別コラムで紹介するとして、まずはこの全体像を把握していただければと思います。

この5STEPで、もっとも重要かつ時間を費やすのはSTEP1「家の検討・相談・方針決定」です。STEP2以降でも、話し合うことはたくさんあります。しかし、基本的に事業者におまかせしておけば、エスコートしてもらえることがほとんどです。

逆に言えば、そうやってエスコートしてくれる事業者を決定するまでの方針決定次第で、スケジュールは大きく遅れてしまうことも出てきます。



STEP1で見落としがちなこと


STEP1で検討することは、いくつもあります。住宅取得の動機や入居したい時期、どの立地に建てるか、予算はいくらで考えるか…。ここまで多くのことを考えながら、普段の買い物をすることは少ないでしょう。それだけ、住宅という「商品」は特殊な買い物です。

皆さんも、住宅取得に向けていくつもの事柄を検討していると思います。しかし、そのなかでつい見落としてしまうことがひとつあります。それは、「家族全員の意見が一致しているか」です。

いざ住宅取得を進める!という段階になって、ご家族の一人がマイホームに前向きな気持になれず、家づくりそのものがストップしてしまうケースは多いのです。マイホームに住むご家族だけでなく、一緒に暮らさない(生計を共にしない)ご親族の鶴の一声で、家づくりのスケジュールが一変することもあります。

ギリギリのタイミングで、すべてが水の泡とならないように…。STEP1では、とにかく「家族の合意形成」を作ることが、スムーズな家づくりの第一歩と言えるでしょう。


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家族で決めておきたい、「家づくりの3つの約束」


「家族の合意形成」の参考として、専門家や業者にアドバイスを求めることは有効です。とはいえ、何も決まっていない状態から彼らに相談をしても、どうエスコートすればいいか分からずお互いに混乱してしまうでしょう。

「家族同士で、何を決めればいいか分からない」という方は、最低でも次の3点を決めておくようにしましょう。



1.マイホームを持つ動機(理由)

2.入居したい時期

3.予算の上限(月々の返済額)



ここが決まっていて、さらに家の好み(間取り、床暖房などの機能、デザインなど)が具体的になれば、STEP1の期間がぐっと短くなります。STEP2以降は、選定業者のチーム体制や工法、受注状況で変化するので、施主がコントロールできないこともしばしばあります。


家づくりには、想像以上にたくさんの手順を踏む必要があるので、どうしても入居するまでに時間がかかります。施主として計画を立てるときは、この前提を念頭においてご家族や業者と相談をするようにしましょう。逆に、「すぐに入居が必要!」と時間を最優先したい場合は、注文住宅ではない選択肢を視野に入れて検討してみてください。