こだわりのマイホーム建築、予算内で理想を叶えたい気持ちは誰もが同じ。そこで注目されるのが「施主支給」です。照明やカーテンはもちろん、最近ではトイレやキッチン、さらにはフローリングまで、自分で選んで購入する方が増えています。
お客様にとっては魅力の多い施主支給ですが、知らないといけないリスクや落とし穴がたくさんあります。
施主支給、急増中の裏にあるリスク
建築資材の高騰が続く中、「少しでも費用を抑えたい!」「自分好みの空間にしたい!」そんな願いを叶える施主支給。インターネットで簡単に比較検討できるようになり、選択肢が大きく広がったことも、人気に拍車をかけています。
費用を抑えて理想の空間を。そんな夢を叶えるはずの施主支給ですが、一歩間違えると、大きなトラブルに発展する可能性も。
住宅メーカーの営業担当者として、お客様に事前にしっかり説明すべき、重要なポイントをご紹介します。
①工事ストップ!? 現場を混乱のきっかけになることも
住宅設備は、ただ設置すれば良いのではありません。住宅の構造や工事の進捗に合わせて、適切なものを選定する必要があります。例えば、トイレやキッチンを選ぶ際、給排水管の位置やサイズが合っていないと、設置が不可能になることも。
「お気に入りのあのトイレ、設置できない…」なんてことになったら大変です。
資材の搬入タイミングも重要です。適切な時期に搬入・保管を行わないと、工事の遅延が発生することもあるし、それにともない追加の費用が発生することもあります。
②施主の負担、想像以上に大きいかも?
施主支給は、商品選びから始まり、発注、納期管理、搬入の手配、初期不良対応まで、全て施主の責任で行う必要があります。仕事や家事の合間に、これらの作業を行うのは、想像以上に大変です。
建築中に仕様変更が生じた場合、メーカーや施工会社との調整も、施主が行わなければなりません。「もう、誰に何を頼めばいいの…?」そんな風に、お客様を途方に暮れさせてしまうかもしれないわけです。
③住宅ローンを使えない!?
施主支給の設備は、自己資金でまかなう場合が非常に多いです。住宅ローンを利用して設備を購入する場合、その購入費用を正確に計算・確定させる必要があります。しかし、施主支給は住宅会社が設備を用意するのとは異なり、事前にそこまでの準備をすることはむずかしいです。
そのため、施主支給で好みの設備をそろえたい場合、一定の資金力が求められます。
施主支給のトラブルを回避するために
施主支給は、上手に活用できればお客様の理想の空間を実現しやすくなります。しかし、住宅会社や施工会社、さらにはお客様自身に大きな負担を強いる方法でもあります。
設備費用を抑えられる!と安易に施主支給を進めると、のちのち大きなトラブルに発展してしまうでしょう。
そのため、施主支給を進めるうえで避けては通れないリスクや課題を、正確に伝えることことが重要です。それでもお客様が施主支給でそろえたいという場合、住宅会社としてサポートできる部分・できない部分を明確に伝えたうえで、住宅会社として可能なサポートを提供しましょう。